「コレクション展 みずのきの演習」対談を公開

服部正×奥山理子「西垣籌一の美術教育とアール・ブリュット」

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「コレクション展 みずのきの演習」対談を公開

服部正×奥山理子「西垣籌一の美術教育とアール・ブリュット」

関連企画2 対談
「西垣籌一の美術教育とアール・ブリュット」
ゲスト:服部正(甲南大学文学部教授/美術史・芸術学)
収録日:2020年10月29日(木)

現在開催中の「コレクション展 みずのきの演習」に合わせ、対談企画を行いました。
第二回目のゲストには、所蔵作品集『みずのき美術館 コ レクション2』に寄稿いただいた服部正さんをお迎えし、1990年代に遡るみずのきや西垣籌一との出会い、アール・ブリュットとみずのき絵画教室の関係、障害のある人の創作活動などについて語りました。
服部正(はっとりただし)
甲南大学文学部教授
1967年兵庫県生まれ。兵庫県立美術館、横尾忠則現代美術館学芸員を経て、2013年より現職。アウトサイダー・アートやアール・ブリュット、障がい者の創作活動などについての研究や展覧会企画を行っている。著書に、『アウトサイダー・アート』(光文社新書、2003年)、『山下清と昭和の美術』(共著、名古屋大学出版会、2014年)、『障がいのある人の創作活動』(編著、あいり出版、2016年)、『アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国』(監修、国書刊行会 2017年)など。
対談に出てくる人物や用語の注釈:
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西垣籌一(にしがきちゅういち)
19122000年。日本画家/美術教師。
1964年、障害者支援施設みずのきに講師として招かれ、以降亡くなる直前まで絵画指導にあたり、余暇活動として始まった活動を一般の公募展に入選するまでに高めた。1994年、教室の作品の一部がアール・ブリュット・コレクションに収蔵された。
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Art Brut(アール・ブリュット)
フランスの芸術家ジャン・デュビュッフェによって提唱された。伝統的な美術教育を受けていない作り手によるとされるそれらの作品は、美術史的な枠組みで解釈し尽くすことができない。「アウトサイダー・アート(outsider art)」とは、イギリスの美術史家ロジャー・カーディナルによって英訳された言葉。
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小笹逸男(おざさいつお)
19242012年。
絵画教室の開設当初からのメンバーで、教室を代表する作品を数多く生み出した。
画用紙に何枚も同じ絵を描いていたため、指導者の西垣籌一はそれを「小笹印刷所」と称した。
アール・ブリュット・コレクションに5点が永久収蔵されている。
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入江波光(いりえはこう)
18871948年。西垣籌一が師事した日本画家。
晩年は盛んに古画を模写し、は法隆寺金堂壁画の模写に従事したことでも知られている。
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森太三(もりたいぞう)
美術作家
2011年よりみずのきアトリエの講師を務め、みずのき美術館開館以降は展示設営を担う。
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