みずのき美術館コレクション展2023 前期 「模る」
2023年6月23日(金)〜9月17日(日)
会場:みずのき美術館
模倣する、模写する、など、手本をもとに形を写し取ることや、ある形に似せて作ることを「模(かたど)る)」といいます。
本展では、当館のコレクションであるみずのき絵画教室で生まれた絵画の中から、風景や物を見て描かれた作品、画集や写真集を模写した作品、さらには教室の隣で描いている人から影響を受けて作られた作品などをご紹介します。
「時間をかけて問いつめ推測を混じえて得た結論は、すべてが具象であるということだった。」 (西垣籌一, 無心の画家たち–知的障害者寮の30年–, 日本放送出版協会, 1996)
一見すると抽象表現を思わせる作品も、大胆な色の分割や余白で構成されている作品も、描き手たちの日常の具体的な出来事から生み出されていることがわかってきました。様々なきっかけや描画によって模られたこれらの作品は、障害のある人に対する美術教育の観点からも、アール・ブリュットを研究する点においても、非常に貴重な資料であるといえます。
開館カレンダー
- 会期
- 2023年6月23日(金)〜9月17日(日)
- 開館
- 金曜・土曜・日曜・祝日 10:00〜18:00
- 会場
- みずのき美術館
- 料金
- 一般400円/高大生200円/中学生以下無料
- 展示作家
- 浅木久輝、小笹逸男、岸ノ上卓二、高橋滋、二井貞信、福村惣太夫、堀田哲明、森昭慈、山崎孝、山本悟、吉川敏明
- 広報デザイン
- 小山真有
みずのき絵画教室
障害者支援施設みずのきで、入所している人たちを対象に1964年に誕生。講師の画家・西垣籌一(1912-2000年)は当初、余暇利用、情操教育等を主とするクラブ活動として考えていたが、入所者の多様な反応や変化の兆しを感じ、その後本格的な美術教育へと転換する。作品は国内の美術公募展で入賞を果たした後、1990年代に日本のアール・ブリュットとして紹介され、国内外から注目を集めた。